承前(その5)
2010年11月10日の第1回調査、2011年1月4日の第2回調査、2011年1月22日の第3回調査、2011年3月4日の第4回調査はこちらを参照。第2回調査以来、五条駅の工事の様子は目視確認にとどまっていた。これまで大した動きはなかったが、今回だいぶ工事が進展しているのを確認できたので、初めて駅の外からも工事状況の観察を行った。その代わりというのも変だが、今回は太宰府駅に立ち寄っていないので、太宰府駅の工事状況は調べていない。これまでと同様、記事中の各写真はクリックすると原寸大で見ることが出来る。ただし、携帯電話のカメラで撮影したため、画質のほどはご容赦いただきたい。
五条駅の工事の様子
工事案内の看板
調査日:2011/3/23
五条駅の改札口横に建てられている工事案内の看板。内容は太宰府駅のものと同一である。
左に一部映っている青い改札機は、磁気券専用の自動改札機。2008年以降2009年頃までは複数ゲート設置駅に1ゲート残されていたが、ICカード対応改札機(緑)の増設によりほとんど姿を消している。青い改札機の利点としては、乗車券の改札速度が緑よりワンテンポ早いこと。緑は通した後半呼吸分のタイムラグがあるが、青は通した瞬間に出てくる。
1番ホーム(太宰府方面)
1番ホームの二日市方より太宰府方面を見る。1番ホームの嵩上げは全て終了しているが、2・3番ホームの工事のため、白い幕とホーム境界柵との間には工事用資材が引き続き置かれている。
1番ホームを2・3番ホームから見る。旧ホーム面(積み上げられたブロックの上端より少し上)に、新ホーム面が上乗せされて地層のようになっているのが確認できる。(この写真だと見づらいかもしれない。)
1番ホームの太宰府方を見る。左下の赤蛍光テープで強調された黒四角の書かれた札が停止位置目標(全編成両数対象)。写真を最も拡大した状態で見ると、写真中央やや右上のホーム端部下に、「非常用」と書かれた停止位置目標が残っているのがわかる。ここに合わせて列車を停止させると7両編成がホームに全てかかる。一応「非常用」の部分までホームは嵩上げされている。しかし、1番出発信号に対するB2点のATS地上子(停止現示時に0km/h信号発報)の奥にあるため、ここに停車させるためにはATS開放措置が必要になる。
2・3番ホーム(二日市方面)
2・3番ホームの太宰府方にあるスロープ。すでに改良工事は終了し、屋根と柵も新しいものが取り付けられている。ただ、ホーム面はアスファルト舗装の色の違い(黒と土で煤けた灰色)からも分かるとおり、全体的な嵩上げは全く進んでいない。
2番ホームについては、スロープからおよそ1両分だけは縁石の部分だけ嵩上げが終了している。以前にも書いたとおり、現在の2番ホームは臨時・非常時用に残されているようなもので、常用はされていない。奥に見える3番ホームについてはもう少し先まで嵩上げが進んでいる。しかしこちらも縁石部分のみで、ホーム全体の嵩上げはされていない。
3番ホームの縁石部分だけの嵩上げも、3両停止位置目標の5mほど手前で終わっている。それより先、19mは昔のままのホームとなっている。屋根も新しい縁石の終端部で途切れ、それより先はトタンが剥がされ、骨組みだけが残っている。
4両停止位置目標の手前5mから、5両停止位置目標の5m先までは足場用鉄骨と木の骨組み、ベニヤ板、防水シートの組み合わせによる仮ホームとなっている。旧ホームを形作っていたコンクリートや土はほぼ崩されて撤去されている。旧ホーム面との境に段差があり、仮ホーム面が高くなっているところから、仮ホーム面が嵩上げ後の高さに揃えられていると推測できる。
仮ホーム面と二日市方末端部のコンクリートブロック+鉄骨製ホームとの境目。こちらには段差がなく、鉄骨が新しくなっているところから、こちらも嵩上げ後の高さに揃えられているようである。
仮ホーム部を外から見る。ホーム下の基礎面にはコンクリートが流し込まれている。その両端からは鉄筋が伸びている。
ホーム屋根の支柱土台が埋まっている部分だけは土が残され、その周りをコンクリートで固めている。ホームを支えている足場用鉄骨はどうみても基礎コンクリートに埋まっているのだが、このまま埋めてしまう気なのだろうか。
仮ホームの太宰府方端部にある柱だけは、まだ周りの土をコンクリートではなく木製の土留めで支えている。
おまけ
五条駅中間部にある柱上変圧器。その下、電柱の根元のところにそっぽを向いて置かれている停止位置目標を発見した。その正体は――
昨年10月30日まで使われていた、7両編成用の停止位置目標だった。もはや使われることはなく、いずれ筑紫かどこかに持っていかれることになるだろう。
五条駅構内踏切と五条1-1号踏切の間の線路に設置されている謎のトゲトゲ群。改札を通らずにホームに出入りしようとする不届き者を成敗する――にしては間隔、大きさ共にでか過ぎて役に立ちそうにない。ただ、心理的障壁にはなると思う。そもそも、西鉄はJR九州の都市型ワンマン運転区間と違い、無人駅でも必ず乗務員による集札があるため、無札での乗車をしようと思えば、出入場ともに柵乗り越えなどの派手な脱法的行動に出なければならない。かつて僕の最寄り駅・三国が丘で、上りホームから柵を乗り越えて外に出た2人組を目撃したことがある。一体どこからどうやって乗ってきたのかは分からない。